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学生記者の感想

▼担当学生記者
金井寿恵(21歳:取材時)

▼取材日
2001/8/23(木)

▼取材時間
9:00~14:00

▼取材地
饗庭様宅@京都

▼取材の雰囲気

伝統は、夢に向かって進んでいく人々に
担当学生記者: 金井寿恵(21歳:取材時)
私は伝統を、特別なものとして言葉で定義しようとしていました。伝統と日常を、切り離して考えていたのだと思います。饗庭さんは、「伝統って、夢をかなえるために進んでいくことの積み重ね」、とおっしゃっていました。今まで3人の職人さんに取材させていただきましたが、どの方も『伝統』という文字を背負っているという印象はまったくなく、ただものづくりが好き、だから作る、という感じで、私のように伝統を言葉で定義したがるのは野暮だなあと思いました。
饗庭さんは、お話をなさっている様子から、とても厳しい方なのかな、と思っていました。しかし、小さいお子さんからは「ゴリラ」と呼ばれ、愛されている素敵なパパでもありました。そして、驚いたことに、7歳のお嬢さんは、団扇を作るのに使う機械や道具がどうつかわれるか、ちゃんと知っていました。しかも、特に教えてもらった訳ではないとのこと。家業がある家庭では、こんな風に小さい頃から体で覚えて育つのだなと、ちょっと羨ましかったです。

技術は、教えない
同行学生記者: 渡辺夏海(21歳:取材時)
京都では代々続いているお家や店が軒を連ねている界隈だったこともあり、話しのふしぶしに近所のことが出てくる点や、「江戸時代」とか「先祖」とか他の取材では耳にしない言葉から伝統産業を取材していることを実感しました。
父親からこの仕事を継ぐように言われたことはなく番頭さんから言われていたことが、この道に入るきっかけになったと話しており、10代目のプレッシャーとか気負いとかを感じさせないはんなりとした京らしい雰囲気を持った方でした。
取材中に、彼の息子や娘が近くで遊んでいたのですがこの子たちが、11代目となるのかなあとふと思ってしまいました。「300年の歴史」をもし私が自分の職業として担うとしたら、どんなことを思うのだろうか?など心の中で考えながらずっとナビゲーターさんの言葉に耳を傾けていました。

プロは目に見えない段取りができる
同行学生記者: 石浦陽子(23歳:取材時)
日本一の「京うちわ」。それを作っている方がどんな方なのか、とても興味があった。
取材が始まり、カメラがまわりだして、饗庭さんはゆっくりと語りはじめらた。その様子にはなにか落ち着きのある貫禄みたいな雰囲気を感じた。
家業としての「うちわ」づくりを、長男として引き継ぐ。長く続く先祖から受け継ぐ経営者としてのプレッシャーもあったが、目の前にあるから、悩んだり考えたりする時間もなくやるしかなかったという。宿命のような人生に対して、饗庭さんは「必然」だと語る。
そして、「プロは素人と違って段取り上手だ」という言葉にとても納得した。
目の前にあること、たとえば、家業とか、縁のようなこととか、そんな自分に起こる必然に対して、まっすぐに生きていくという方法が実はもっとも自分にあった仕事なのかもしれないと思った。

自分を煮詰める
同行学生記者: 筈井淳平(20歳:取材時)
今回京うちわ職人さんを取材させていただいて、最も印象に残ったことは二つ。まず、「京うちわは俳句に似ているなぁ」と思ったことでした。風をあおぐだけではない、まさに贈答品などとしての役割も果たしうるこの京うちわに描かれたものは、季節感あふれた風情ある匠。それを京うちわの木板が「うちわ」としての芸術作品に仕立て上げるプロセスを考えたとき、ある意味で俳句以上の何かを感じさせられました。しかしそんな産業も、もっと消費者云々のことを考えていかなくては、経営が成り立っていきません。そんな「経営者としての側面を両立してやっていく難しさ」なるものも、同時に感じさせてくれた饗庭さん。興味深い取材でした。

準備が8割、結果が2割
同行学生記者: 大野雅史(21歳:取材時)
饗庭さんはたいへん落ち着いた方だった。
取材なれされているせいもあるだろう。見た目は若く見えたが、落ち着いた語り口調が、熟練の職人の雰囲気を醸し出していた。
結果を出すためには準備が必要、言い換えれば、何かをやり遂げるには努力が要るということか。今回の取材は1つ1つの言葉が今のぼくたちを刺激する

子孫に残すべき宝は金銀でもなく、書籍でもなく、陰徳を積んでいくことである
同行学生記者: 川島奈々(20歳:取材時)
饗庭さんのお話を伺っての印象は、すごくストイックで考えの深い頭のいい方だなと思いました。
オンリーワンワードばかりでなく、饗庭さんのお言葉にはひとつひとつにものすごく意味と重みがあり、そこには想像を越えるくらいの経験や思慮深さからくるものがあるということがひしひしと伝わってきました。
またそれとは逆に、取材後に見せたお子様たちに対する父親としての姿は本当に笑顔が素敵で印象的でした。そして、実際に番頭さん方が作業しているところを案内していただいたのですが、畳の部屋に座ってひとりひとり黙々と作業している姿を見て、何百年も前から変わらぬ形でこのように阿以波さんではうちわが作られてきたのだなと思うと感慨深いとともに、饗庭さんのお子様が作業している番頭さんのところにきて、話をしてすぐまたどこかへ走っていってしまったりするのを見て、饗庭さんご自身もこのように育って今はここの主人として生きているのだなと思うとまた感慨深いものがありました。

教えたら終わる、できたと勘違いするから。
同行学生記者: 田中陽介(20歳:取材時)
団扇職人として代々やってきている饗庭さんはとても取材中落ち着いてお話をして下しました。貫禄や自信といったものがそこにあるような気がいたしました。
団扇職人にいきなりなったのではなく、銀行で4年近く働いていたと言う事も関連してなのか饗庭さんの話の多くに全ての分野の事に非常に知識とご意見をもって考えているのだなーと感じました。このことはどの職業にも当てはまる事だと思うのですが人間としての大きな魅力があってこそ、立派な仕事の達成と言う結果がついてくるのではと思いました。
職人としてだけではなく経営者としてのお話もたくさん聞けて饗庭さんの持つ人間的な考え方にも近づけたのではないかと思いとてもよかったです。饗庭さんの持っていた色々な感心させられる意見でとても勉強になりました。

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