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学生記者の感想

▼担当学生記者
竹下瑛子(19歳:取材時)

▼取材日
2003/1/30(木)

▼取材時間
15:30~18:15

▼取材地
『美玉』事務所@六本木

▼取材の雰囲気
六本木にあるビルの一室の『美玉』の事務所にて、ゆったりとしたソファでお話を聞かせていただきました。『美玉』の方々は皆とても温かい方ばかりで、とても和やかなムードで取材を進めることができました。

苦しいと思ったことは一度もないかなぁ。難しいことならたくさんあったけれども・・。
担当学生記者: 竹下瑛子(19歳:取材時)

”苦しい、投げ出したいと思ったことはありますか”という質問に対し、まるで「そんなこと考えてみたこともなかったわ」とでもいうような感じでおっしゃっていたのがとても印象的でした。 梅田さんはもともと衣服などに興味があったというわけではないということでしたが、いまとなってはほんとうにいまの仕事を愛して楽しんでいらっしゃるんだろうなぁと思いました。 梅田さんは裁断師という仕事は”コミュニケーション”が大事なお仕事だとおっしゃっていました。オーダーメイドを注文されるお客さんがいて、その注文服を縫って形にする職人さんがいる。 その間に立つのが裁断師で、いかにお客さんの体格や年齢、やっているスポーツ、好みに合ったものをつくっていけるかしっかりチェックしていくことが大切だそうです。ちょっと変な体型で、合ったものを作ってあげるのが難しいお客さんほど、どんなによりふさわしい生地やデザインを提案しても100%自分の要望を通そうとしてくるわがままなお客さんほど、「やってやろうじゃないの」と燃えてくるみたいです。逆境を全て自分のやる気に変えてしてしまうひとなのだろうなぁと思いました。

そして「人生で無駄なことなんてひとつもない、いつかどこかで役に立つんだから」と言い切っていた姿がとてもかっこよかったです。私はいま某大学受験塾で、チューターというアルバイトをしていて、毎週毎週受験に苦しみ必死になっている受験生を目にし、彼らの相談にのったりもしているのですが、そのときいつも感じるのが「どうしてこのコたちは受験という枠組みにとらわれて苦しみすぎてしまうのだろう」ということでした。どう励ましていいのか、うまいことばを見つけられずにいましたが、梅田さんの自信にあふれた笑顔を見て、今度受験勉強に苦しむ受験生が相談にやってきたら、ちょっとこのことばを借りて励ましちゃおう!と思いました。受験生に限らず、いまの世の中は全て効率化が”善”とされ、即効役に立たなければ無駄、と考えられてしまうような風潮があると思います。私は効率化はやはり必要なことではあるけれど、それは実は短期的な視野をもたざるをえない悲しいことなのかなぁ、、と考えさせられました。

本物になるには時間をかけなくてはできない。
同行学生記者: 青山亮子(20歳:取材時)

裁断師になるには最低5年間かかるそうです。そして本物になったときには、工程を効率化のためにカットしようとすると逆に、時間がかかってしまうという私たちでは考えられないことがおこります。手を抜くと時間がかかってしまうそうです。

私をはじめ、今の時代は効率化が良しとされる世界です。早いのがよいとされ、それと同時に、すぐできることを求めるようになって、それは私たちの職業観にも表れてきていると思います。 何かで本物になろうと思ったら、やはり梅田さんや周りの職人さんのような「本物」になりたい。普段から意識して時間に対する捉え方を変えることをしていこうと思いました。

無駄なことなんてなんにもない 何かいつか役に立つ。
同行学生記者: 秀島直子(22歳:取材時)

パワフルでお仕事を楽しみ誇りを持っていらっしゃる素敵な方でした。衣料関係の仕事をするなんてね思ってなかったのよ とおっしゃっていましたが、家庭の事情で偶然といってもいいかもしれません。今のお仕事に携わることになられました。長年(45年も)お仕事されているからこその言葉だと思いましたが「無駄なことなんて何もない 何かいつか役に立つ」と思っていたら目の前のこと1つ1つをより大切にできる気がしました。

衰退産業じゃなくて消滅産業なのよ 5年10年後あるかわからないのよ、とおっしゃいつつ、楽しいお仕事よ、ねぇ誰からやらない?と何度もおっしゃっていました。職人さんの手仕事が成り立っていた時代は(今は工場ですよね)経済的には発展中だったのかもしれませんが、日本は心が豊かだったんだろうなと思いました。

それが職業ってものでしょ。
同行学生記者: 峯岸慶太(22歳:取材時)
梅田さんは、職人としての、誇りを持っていました。自分の職業で食べていくには、徹底的にその道を極めることが重要であると何回も繰り返して言っていました。その人の顔を見るだけで、その人に何が似合うかどのようなものを着せればいいかというように、流行の言葉でいうとコンサルタント的なことをなさっているそうです。自分は、本物の職人とは、このようなものをいうのだなと感じました。 そのときに、このような匠の技術が消えていくことが効率化の流れの中で消えていくとは、許容されることなのだろうか?と思いました。P・Fドラッカーは、「変化の流れを変えることは出来ない出来るのは変化の先頭に立つことだけである」と言っていますが、本当にそうなのだろうか?職人さんの神業的な技術を短期的な合理性のみで消してしまってはいいのだろうか?と疑問を感じました。梅田さんが、「もっと、大規模な資本があれば、職人を大規模に育てて、残していくことが出来たんだろね」と言っていたのが、印象に残りました。

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