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学生記者の感想

▼担当学生記者
竹下瑛子(19歳:取材時)

▼取材日
2003/5/16(金)

▼取材時間
19:00~21:00

▼取材地
大野さんの事務所

▼取材の雰囲気

「自分から求めていく」ところに自分の生きる方法を見つけた
担当学生記者: 竹下瑛子(19歳:取材時)

大野さんは小さい頃に触れた劇場の華やかさに憧れ、戦後も多くの戯曲や映画を自分からどんどんと見ていくことで、憧れを自分のものとして形にしていかれました。「情報が何もなく、自分から探し求めて見つけていかなければ何もないような時代だったから僕は自分のやりたいことを見つけられたのではないか」とおっしゃっていましたが、そうやって自分からどんどんと興味あることに飛びかかっていく姿勢、すごく素敵だと思いました。今の時代はほんとうにあらゆる情報がとびかっていて、いったいどの情報をキャッチしてどの情報を捨てるべきなのかが判断しにくいです。でも、自分が「こういうことが知りたい、なんだかこういうの面白そう」といった思いを持つことなく目の前を過ぎていく大量の情報の波にさらされていたら、いったい何が自分にとって必要で、興味をもてる情報なのかが見えなくなってしまう。与えられた情報のなかだけで自分の興味のもてるものを選んでいても、ほんとうに世界が狭まってしまう。

私もキャリナビに入るまでは大量の情報の渦の中に埋もれていた人でした。そして自分が何に興味があるのか自分から探すことなくただただ「私って何がしたいんだろう、これからどうしていったらいいか分からない…」などとぼやいていました。でもそれはただの言い訳に過ぎなかった。どうしていったらいいのか分からなかったのではなうく、自分から何か情報を求めたり、自分の興味あることにどんどんと飛びかかっていくことがなかったから、どんなイメージもわくことなく未来も見えなかったのだと思います。今も自分のやりたいと思うことがハッキリと見えているわけではありませんが、自分が興味あること、もしくは興味がないと思っても自分が知らない世界のことについては自分で足を運んで自分の目で見て耳で聞き、自分の感覚で感じることを大切にするようにしていたら、少しずつですが自分の未来のイメージがわいてきました。自分から動くことなかったことに言い訳をしていただけの自分を情けなくも思いますが、これからも自分で足を運び、様々なものに触れながら自分がそこで何を感じたのか(どういうところが素敵だと思った、あまり興味ないかもしれないと思ったなど)をしっかり考えながら、自分の夢をもっと具体化させていけたらと思います。

そして、「人は何かを生むであろうと思っているのでしょう」ということばから、大野さんは人間がもつ可能性を心から信じている方だと思いました。コンサートホール、演劇のステージ…と様々な用途に応じて椅子をすべて取っ払うことができたり、ステージの形態を変えることができたりと何種類もの使い方ができるホール/劇場をつくってしまうのです!白紙にしておいて、そこに利用者の知恵が加われるような場をつくりたいとおっしゃっていました。利用する人が様々な使い方をして工夫してくれて、ホールをつくった側が「えっ!こんな使い方があるの!?」と思ってしまうほどの、人々の自由さを感じるときがすごく嬉しいともおっしゃっていました。そういった自由な想像(imagination)のなかから創造(create)が生まれる。そこにはあらゆる『可能性』が秘められている。そういった、自分を含めた人間がもつ『可能性』を大野さんはすごく信じているのだろうし、狭めることなく広げていくことで、さらなる『可能性』を生み出していきたいと感じていらっしゃるのだろうなぁと思いました。

私は大野さんのお話をお聞きし、ここまで人間の『可能性』というものを信じていないのではないかと思いました。というのも、今まで私の中に「人は何かを生むであろう」という前提や意識みたいなものがなかったのです。そういうふうに、人間がもっている目に見えないはずなのにどこかにあるエネルギーのような可能性を信じることは、人を信じるということなのではないか。そう考えると、大野さんが人と人とのコミュニケーションをとても大事になさっているわけが分かった気がしました。私は何かを感じたらそれを「伝えたい!」という気持ちが強く、自分のことをたくさん話してしまう傾向があります。でも「相手が何を聞きたいのか」ということを考えながら話し、相手の話にも耳を傾けることが、お互いの様々な『可能性』を膨らませていくことになるのではないだろうかと思い、これからはもっとそういった「人々の可能性」に目を向けていきたいなと思いました。

可能性を広げたい
同行学生記者: 原田悦子(23歳:取材時)

このオンリーワンはすごく一般的のようですが、今日の私には すごく響きました。大野さんは、人と人がコミュニケーションをとれる空間作りを大切のしている方で、劇場の設計・運営をしている方です。

例えば、多目的ホールなどを手がけているんですが、普通の舞 台がある所は、演劇しかできませんよね。でも、もっと表現の幅 を広げたり、地域の人のニーズに合ったように劇場という空間を 作るためにはどうしたらいいかということを考え、劇場が椅子が動いたりして、ある時はまっ平らなダンスホールになったり、ある時は中心にステージがあるようなプロレス場に変身したりできるような空間をプロデュースする方です。

芸術って(歌舞伎、芝居、演劇、歌その他もろもろ)すごく心を 豊かにしますよね。でも、知らない人は知らないままで、それは 知るきっかけがなかっただけなんだ、とおっしゃってました。

だから、地域の人が遠くに行かなくても自然と身近に感じれる 空間で、いろんな人がいろんな感動を生み出せるような空間を作りたいと言っていました。地域の人の可能性を広げ、表現する側の可能性も広げられるような空間をつくるためなら、すごい努力できるそうです。

人が何かを見たり、聞いたりして感動する事はとても自発的な行為で、それによって人は自分を変えれるんだ、そんなエネルギーが生まれるんだとおっしゃってました。

そんなわたしは、今日大野さんにあって本当にすてきだなと心に響いて感動しました。元気が出ました。「だから、大野さんのように空間をつくりたい」というのではないのですが、「この感動を活かして、私も人に元気になってくれるような、それが自然に できるような人間でありたい!」と思いました。

感動は自発的なエネルギー
同行学生記者: 安井弓(20歳:取材時)

大野さんは表現の可能性を広げることをすごく大事にしているというのがお話を聞 いてしみじみ伝わってきました。 何度も繰り返していらっしゃった「可能性」という言葉がインパクトが強かったので すが、私が一番心に響いたのは「エネルギー」という言葉でした。 大野さんもおっしゃっていましたが、生きるのにはエネルギーがいります。そのエネ ルギーは自分から発して生産してアウトプットするものですが、自然にわいてくるエ ネルギー(自発的なエネルギー)って、人からのエネルギーを受けて触発されて、自 分もまた自分しか作り出せないエネルギーを生産して放出して人に影響するというこ とでもわいてくる。そんなエネルギーの連鎖みたいなものってすごく素敵だと思いま した。

人とのつながりを大事にしたい、つながりのある空間をつくりたいと考えていました が、それはもっと正確に、もっとベースをたどると、自発的なエネルギーをもって生 きてゆきたい、人のエネルギーに触れて、自分もアウトプットしていくような関係を 大事にしたいということなのだと思いました。

そして、人と人との関わりの中で得られる新しい発見とか気付きとか驚きといったよ うな、心を揺さぶる「感動」は、エネルギーの連鎖を可能にさせる最たるものなので はないかと思います。

私は大野さんとお話して、素敵な発見や感動を浴びせられ、私の中でもエネルギーが どんどん生産されているように感じました。めんどうくさがったり、人との交流を避 けてしまったり、無気力になることはいくらでもできるけれども、やっぱりもったい ないです。個の世界にこもるのは簡単だけれども、いろんな可能性をもっているの に、自己満足でとまってしまう。私は自分を大事にすることと、自己満足の追及を ごっちゃに考えてしまっていたところがありました。これからもっともっと自分を開 いていこう、自己表現を意識していこうと思います。

可能性を狭めたくない
同行学生記者: 吉岡さくら(20歳:取材時)

この言葉は大野さんが劇場を作るときに常に考えていることで 、「劇場はこうあるべきであるという決まりはないのだから劇 場を作る際の無意味な制約はいらない。」とおっしゃっていま した。 劇場という空間を白紙にしたい。その白紙の空間を使う人の工 夫でどんな色にもできるような空間を作りたい。そのために邪 魔になる制約は取り除きたいというようなことをおっしゃって いましたが、とても新鮮な感覚でした。私はクラシックバレエ を長年やっていたので舞台という空間がとても好きでしたが、 舞台(劇場)はこういうものであるという枠組みを無意識につ くっていたことに気づきました。

劇場とはいろんな可能性を含んだ空間であるということを気づ かせてくださったり、そういう空間を想像して実際に作ってし まう大野さんがとても魅力的でした。

「可能性を狭めたくない」という言葉は劇場作りに限ったこと ではなく、生きていく上でも同じことが言えると思いました。 自分のできる範囲にラインを引いてしまったらそこで満足して それより上へは行動しなくなってしまう。 そうではなくて、いつでも可能性を信じて行動することが大き な何かにつながるのかもしれないと思うとこの言葉の意味の壮 大さにすごく胸を打たれました。

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