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▼担当学生記者
岡村有香(21歳:取材時)
▼取材日
2003/6/24(火)
▼取材時間
17:30~19:00
▼取材地
ナビゲーターさんのお仕事場
▼取材の雰囲気
取材は、井上さんがいつもお仕事をされている漢方薬店の中で行わせていただきました。とても明るく、きれいなお店の中で、水槽の静かな水の音を聞きながらリラックスした雰囲気でお話させていただきました。井上さんは、私達を柔らかく包み込むような口調でお話下さり、そのお話ぶりに引きこまれていたように思います。
井上さんは、 実際のご自身の子育ての中での経験や 感じられた事を 想いをこめてお話して下さりました。 取材の中で最も印象的だったものというのが、 井上さんのそのようなお話のされ方で、 私はそこににじみでていた愛情の深さを 感じていたように思えます。
私が選んだこの言葉の意味は、 「子どもを育て始める時の母親は、 母親としてとても未熟で、試行錯誤をしながら お先真っ暗な状態で子育てをやっていく。 そして、母親も子どもの年齢と一緒に 母親として成長していく。」 という事でした。
井上さんのお言葉を聞いた時、私の中には、 今までの自分が無意識にしてしまっていた、 「大人が子どもに接する時についての 固定観念」が はっきりと浮かび上がってきました。 これは具体的にどういう事かというと、 それまでの私は、 母親に限らず、大人というのは、 完成された存在であり、 何もかもが分かっていて、 「自分が子どもにこういう態度をとったら 子どもはこうなる。(もしくはこういう態度をとる。)」 というように、結果を読む力をもっていて、 結果を予め先読みした上で 子どもに接しているのだと 無自覚ながら思っていたという事です。
ゆえに、 今まで出会った大人から受けた態度の中で あまり心地良く感じていなかったものに対して、 今になってもずっと 嫌悪感を抱いていた自分に気づきました。
けれども井上さんからの このお言葉を伺った事によって、 「大人もみんな試行錯誤しているんだ。 手探りの中で子どもに 接しているんだな。」 と素直に感じる事ができ, 同時に、人はみんな、その時その時を 一生懸命生きているんだと思えた事で そのような嫌悪感が消えていくのを感じました。 また大人に対する見方が 大きく変わりました。 本当に貴重な取材をありがとうございました。
井上さんは高校卒業後、会社勤めをされていたのですが、結婚を機に専業主婦になら れました。10年間主婦として子育てに専念した後、薬種商という県の認定資格を取得し 漢方薬店をはじめたそうです。 子供がある程度大きくなるまで子育てのみに力を注いだのは井上さんが「自分の人生は 取り戻せるけど、子供の人生は待ってくれない。」と考えていたからです。今は女性も 社会で活躍したいという意識は高くて、それはとてもいいことなのだけど、子育てと いう仕事は女性に与えられた特権ですばらしいものだから、働きながら子供を育てる のではなく、子供がある程度大きくなるまでは自分の人生の歩みをゆっくりにして子 育てに集中して、それから自分の人生を取り戻していけばいいのではないかと仰って いました。 子供に対する親の愛情を感じた一言でした。
「親は子供を大切に思っている。」 頭では分かっていたけど心にまで染み渡っていたかと言うと、僕はそうでもありませ んでした。井上さんは僕の親ではないけど、親の子を思う気持ちを直接、言葉として聞 けたから感動したし、心にすっと入ってきました。 とても貴重な体験をさせていただき、ありがとうございました。