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記: それでは最後に、進路選択で悩んでいる若者や、やりたいことが見つかっていない若者に対するメッセージをお願いします。 田中さん: 僕自身がメッセージとして、特にこうして欲しいというようなものはないんですが、、、、、。人生は、自分で選択して自分で決めていくことの積み重ねです。意識的にしろ無意識のうちにしろ、人はどこかで決めています。偶然が加わるにしろ、何事も自分の選択の結果と言えるでしょう。それに気がついて欲しいと思います。あとは好奇心を持ち続けることでしょうか。 もし自分の将来について悩んだり、落ち込んだりしている時があっても、僕はそれも重要なことだと考えています。ジャンプをする前は屈むことが必要なのですから、絶対無駄にはなりません。それに、嫌なことがある方が複雑でいいじゃないですか、味わいが出て(笑)。何ごとも自分で経験して、最後は自分で決断しやっていくしかありません。嫌なことがあっても、そういう時はその原因や理由を考えると、自分の弱さの発見になり、新しい方向性が見えてくるかもしれません。 記: 物事を始める時期について、遅いということはありますか?
田中さん: 没頭できれば何でもできる、と僕は思います。僕自身も28歳からミュージシャンを、ほとんどコネのない状態から始めました。指揮者の人で、36歳で芸術大学に入り直してそこからキャリアをスタートした人の話を何かで読みました。ですから、"自分を厳しく見つめ直すことのできる人"は、何歳になっても始めることができるのではないでしょうか。自分の興味・意識が常にそこにあり、それをどのくらい好きかということが重要なことだと思います。先ほど、自分自身についてですが、「30歳までに決めようと考えていた」と言いました。それは「10年はまずはがんばらないと結果は出ないだろう」と、またミュージシャンをやる場合の身体的、年齢的なリミットを考えてのことです。ミュージシャンには運動選手的な要素も多分にありますから。それと、どんな仕事でもそうですが、チャンスに気がつくこと、情報をしっかりつかむことは大切だと思います。運も実力のうちとよくいいますが、運をつかむ実力とチャンスを嗅ぎ分ける能力があってこその運です。 記: 田中さんご自身がこれからやっていきたいと思うことを教えてください。 田中さん: アコースティックなサウンドというか、サックスという楽器本来のサウンドを活かせる音楽をやりたいと思っています。CDやビデオには録りきれない、その場の雰囲気や、生で見ないとわからないことってあるでしょう?その場にいないとわからないこと、それが本質なのだと思います。また、これからもすばらしい共演者と巡り会えれば幸せだなあと思っています。 そのためにも、楽器をマスターし、音楽を大きく成長させたいです。何よりも続けていくことだと思います。成長過程というか、すべてはプロセスであり、そのプロセスを楽しめるようになってきていると思います。技術だけでなく、自分の中で表現されるものが大きくなっていけばいくほど、音楽の説得力も出てきます。歳をとって身体が衰えても、その時にしか出せない音があるでしょう。いくつになっても大丈夫、一生続けられるものです。完璧になることはないだろうけれど、完璧に近いものになるように、努力精進して、上達していきたいと思っています。 記: 本日は貴重なお話をどうもありがとうございました。 |