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▼担当学生記者
池上紗代(21歳:取材時)
▼取材日
2004/6/17(木)
▼取材時間
13:00~15:00
▼取材地
ナビゲーターさんの自宅兼工房@京都
▼取材の雰囲気
雅楽博物館でもある山田さんの自宅で取材させていただきました。山田さんの隣には様々な楽器が置かれていました。その中の笙を取材中に何度か聞かせてくれながらの取材はいつもの取材とは一味違い、趣き深いものでした。もう一度、あの音は聞いてみたいです。
今までの私の人生では「もうダメだ」と思ってしまったらそこで終わりでした。極端に言うと「自分はそこまでの人間なんだ」と心のどこかで思って落ち込むだけで努力もしませんでした。でもそこで「なにくそっ」と思ってがんばればもっと成長できたのではないかと思います。「もうダメだ」で終わったらもうそこで終わりです。成長も何もないです。
すぐあきらめるのではなく、それに負けずに立ち向かっていくこと。それによってだんだん強くなっていくのではないかと思います。山田さんの言う「なにくそ文化」を忘れずに粘り強く生きて生きたいです。
山田さんのお話のなかで私が印象に残ったのは「密であって密に見えない仕事」です。実際はとても丁寧で、綿密に考えられているのだけど、それが全面に出されているのではなく見た目にはどこか余裕を感じさせる、力の入りすぎていない様子を私はイメージしました。抽象的かもしれないですが、これは理想だなぁと思います。
物事に真剣に取り組みながらも、力が入りすぎて失敗してしまうという事なく、きちんと結果を出していきたいと思いました。
山田さんは目に力があり話し方にも勢いが感じられて、70歳という年齢を迎えてもとても生き生きされている方でした。オンリーワンワードは、そんな山田さんの勢い、パワーが感じられる言葉です。
小学校の頃から雅楽器に触れられ、「70歳になるこれまでは無我夢中。これからが正味の仕事が出来るんだ」という言葉を聞いた時、本当に奥の深い世界なのだ、と感嘆しました。山田さんのように一生をかけて追い求めるものを持ち、それに夢中になれる生き方にやはり憧れます。
私はというと、まだこれだ!という目標が見つけられていません。当分はその目標を見つけることが目標になりそうです。
山田さんの魅力的な点は「本質」を大切にしていること だと思いました。一級品をつくっている方だからこそ、 素材に対するこだわりや、現在の雅楽にたいする見方が本当に 鋭く深い。
私自身、うわべにとらわれずに「自分の目」を大切にして いきたいと考えていたため、自分の基準にこだわっている山田さんを尊敬しました。
私は、「流行」が好きではありません。流行は、ファッション業界やマスコミ業界によってつくられているように思うからです。何万人もの人々が、同じものを見て「いいな」と思うのは、 それ自体が相対的に優れた面を持っているからかもしれません。 しかし、「良い」と思われていたものが、一年後には「時代遅れ」となってしまうことが多い。とくにファッションでは。 考え方も成育環境もちがう人々が、同じ時期に同じものを 好きになって、また同じ時期に同じ物を手放すことは、 不思議な現象に思えます。「良い」「かわいい」とか、 「変」「ダサい」とかいう感覚は、自分の中から沸きあがってくるように見えて、実は外からの影響を多かれ少なかれ受けているのではないでしょうか。
意識していないと、自分の価値観や感覚は自分らしいものではなくて、周りから影響を受けてしまいます。私自身が、影響を受けやすい性格で、こだわりがあまり無いため、逆に「自分の感覚」に敏感になっているのかもしれません。ただ、私は周りがなんと言おうと、自分の感覚を大切にし、「うわべ」にとらわれない人間でありたいのだと、改めて自覚しました。
このとおりの言葉をおっしゃってはいなかったと思うのですが、山田さんは「本物」という言葉を何度も繰り返していました。長く残っていく楽器を作っているという自信が感じられ、「本物」を知っていて、「本物」を作っている方なのだと思いました。
私は、物事の批判をしようと思っても、自分の中に何が本物で 何が本物でないかの基準がなく、判断できないことがあります。 そんなとき自分でも自分が情けないなぁと思ってしまいます。人でも物でも「本物」に出会うとやっぱり違うんだと違いがわかります。私は、人でも物でも「本物」にたくさん触れて、色んなことを感じて、自分の感覚を磨いていきたいです。