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記: お仕事をされている時に感じていらっしゃる、楽しさや魅力は何でしょうか?
秋沢さん: 取材で色々な人に会えて、インタビューなどで様々な話が聞けて、普通なら行けないようなところに行ける。外界に対して沢山チャンネルを持っている、繋がっているところが魅力ですね。他の仕事に比べると、アナウンサーという仕事は特にそうではないでしょうか。私はアナウンス部所属ですが、仕事をしている先は制作局だったり報道局だったりスポーツ局だったり事業局だったり様々。日々やっていることが少しずつ違います。たとえ日々同じ番組に携わっていても、扱う内容が毎日違うから、感じ方としては日々新鮮です。毎日、勉強になりますよ。だから逆に、「常に同じ事をコツコツとやっていきたい」と感じる人にとってはストレスが溜まると思うので、絶対選んではいけない仕事かもしれません(笑)。それくらい毎日違います。 記: 取材などで、人の話を聞く時に気をつけていらっしゃることや目標になさっていることはありますか? 秋沢さん: 話を聞く相手の方が「何を言いたいのか」を理解できるように、“ちゃんと聞く”という“姿勢”がまず大事ですね。取材って、相手の話を聞きながらも、つい「次に何を質問しようかな」と考えがちです。でもそれをしてしまうと、大事なことを聞き逃したりするんですね。心ここにあらず・・・という状態。だから大筋で「こういう話を聞こう」と決めたら、そこから少しは脱線してしまっても構わない、というくらいの気持ちで「聞く」のが大切だと思います。全体の流れは気にしていなければいけないし、話の方向を示す「道しるべ」も絶対に必要です。だから話の向かう方向に、「あっちですよ」と信号を出してあげることも大事です。ただ「聞く態勢」でじっくり聞いていれば「ここはもう少し面白い話が出てくるんじゃないか」と思った時に、更に深い質問をすることが出来ますよね。その方が、楽しいお話が聞けたりするんです。 記: そのようなポイントを見究めるのは、経験なのでしょうか? 秋沢さん: それもあるのでしょうね。やっぱり人間は、経験から学ぶんですよね。特に失敗から!私も沢山ありますよ。ただ、お話を聞いていて自分がいかに納得するかは大切です。常に疑問を持って接するということは、良いことなのだと思います。「どうしてなのかな?」とか「ここはどうなっているのだろう?」というような疑問があると、答えがもらえるまで聞き通しますよね。それで満足できたら次に進む。そういうふうにしていくと、相手のお話をたっぷり聞くことができるのだと思います。 記: 逆に、ご自身がお話したり伝えたりする側の時に、気をつけていらっしゃることや目標などがあれば教えて下さい。
秋沢さん: 気をつけていることは・・・ニュースの場合は「読む」のではなく、「伝える」ということ。それぞれのニュースがどのようなモノなのか、ということを十分理解してから読むようにしていますね。単に「読む」ということは誰にでも出来るんですが、「伝える」ということは意外と難しいのです。皆さんは意外だと思われるかもしれませんが、ニュースは単に「読んだだけ」では伝わらないものなのです。不思議ですよね。人は誰でも意図せずに、きっちりと伝えたい大事な部分をちゃんと強調してコミュニケーションしているんです。でもその誰もが出来るコミュニケーションを「文章化したものを音声にする」となった瞬間に出来なくなってしまう・・・。小学校の頃に教科書を読んだ時のことを思い出してみてください。何かぎこちなさを感じませんでしたか?でもアナウンサーになると、それを「伝える」作業をします。 それを伝えたい人(記者)が伝えたい内容(原稿)を、アナウンサーが途中に入って音声表現にして伝えていくのがニュースです。ですので、記者の意図を汲み、その事件やニュースの性質を理解したうえで伝えることを、毎日大切にしています。また扱うジャンルが全て事件や政治や経済に関わる問題だけではないので、映画やミュージカル、劇や歌舞伎や日舞など、とても広い範囲に渡って勉強するようにしています。 記: 秋沢さんがニュースを読んでいらっしゃる姿を拝見した時に、ニュースの内容によって表情が変わっていらっしゃったので、それがとても印象的でした。 秋沢さん: ありがとうございます。ちょっと恥ずかしいです(笑)。皆さんの持っている、いわゆる『アナウンサー』というイメージの、無表情で淡々とニュースを伝えていくというアナウンサー像の実質とは少し違うと思います。私は、アナウンサーの数だけニュースの提示の仕方があって構わないと考えていますが、自分は自然体でニュースを伝えたいと考えています。喜怒哀楽。私はその気持ちに正直にニュースを伝えていて、それでいいんじゃないかなと思うんです。「ニュースはこうあるべき」というのではなくて、最終的に大事なのは、「より多くの人に分かりやすくお伝えすること」だと思っています。 表情の変化は意識してやっていることではありません。私はニュースの姿に「正解」はないような気がします。ただ、自分の中で一番大事なのは「ちゃんと伝える」ということだから、それが出来ていれば嬉しいですね。 |