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6.自分の弱さを自覚した〜学生時代〜

 

記: 今度は子どもの頃についてお聞かせ下さい。

池田さん: 恥ずかしいのですが、私は勉強するとすぐに眠くなってしまう子どもだったので、本当によく寝て、よく食べて、よく遊んでいる小学生時代でした。

中学では、身長に目を付けられて誘われたバレーボール部に入りました。本当は陸上部に入りたかったのですが、やったことのないバレーボールを経験してみようと思って始めたんです。それでバレーボールにのめり込んでしまって、中学のときは県の選抜選手に選ばれて全国で2位になりました。でも、私はその試合には出てないのですけど(笑)。

でも、何しろ練習がきつかった。コーチに殴られて鼻血を出している子もいたし、強くなるためには暴力も我慢しなければならないのか、と疑問を感じていました。もっと他に教え方があるのではないかと。あと、体育会系のノリが苦手でしたね。私にはできない、向いていないとはっきり自覚しながらも、結局高校でもバレーを続けてしまったので、計6年間やっていたことになります。何か一つ始めてしまうと周りが見えなくなってしまい、それをとことんやるタイプなので、我ながら不器用で損な生き方ですね。

記: そんなバレーボール漬けの高校生活からモデルになろうと思ったきっかけは何ですか?

池田さんと石嶋

池田さん: 私は高校3年のときにバレーの実業団から誘いを受けたのですが、そのときに初めて自分の将来について真剣に考えたんです。ここでバレーを選んだら、たぶんずっとやらなきゃならない。でも、私はそこまでバレーが好きなのだろうか?だからといって別の進路を考えたときに、自信のあるものなんて何もなかったし、自分が何をやりたいのかもよく分かりませんでした。しかし、自分にしかできない仕事がしたいという思いは強かったと思います。それが自分の長身を生かしたモデルという職業につながったのです。そして私は高校卒業後、ショーモデルを目指して上京することにしました。

記: 先ほど「モデル時代は強くならなければならなかった」とおっしゃっていましたが、その強さというのはバレーボールでの強さと何かつながっているのでしょうか?

池田さん: バレーボールではチームとして強くなって勝ち上がっていかなければならないということは当たり前で、それはそれで楽しかったのですが、強くなるまでのコーチのやり方に疑問や反発心がありました。そういうことに疑問を感じずに、それが当たり前だと思っている子たちは素直に受け入れているんです。でもそういう強さが私にはありませんでした。それに練習もものすごくハードだったし、体力的にも精神的にも耐えられなかったという面で、私はすごく弱いです。また、みんなの勢いに押されてやっていたところもあったので、努力したかどうかも疑問ですね。

モデルのときは、オーディションに落ちたときに一個一個めげていたら次に進めませんから、自分を信じて仕事を勝ち取っていくという面で強くならなければなりませんでした。それに、私がやっていた頃は、骨のように細いモデルが主流だったので減量には力を入れましたね。それが仕事につながるので苦ではありませんでしたが、モデルである限り続けなければいけないという部分で日々戦いでした。

人は常に前に進んでいくけれど、やっぱり過去の自分と今の自分を比較しながら生きていくものです。だからモデルをしていたときに、高校時代、途中でバレーボールをあきらめてしまった弱い自分を思い出し、それが悔しくてなんとか続けたいという思いがあったと思います。その時々にはそこまで気づいていなかったかもしれませんが。

記: バレーボールにしても十分すごいと思うし、池田さんの中の強さのハードルは高いのではないでしょうか?

松島君の後ろ姿と池田さん

池田さん: いいえ、そんなことはありません。強さのハードルが高ければ、バレーボールだけではなく、勉強の方もちゃんとしていたと思います。今頃になって勉強も一生懸命やっておけば良かったと後悔しています。だから大学生がうらやましいです。大学という学べる環境は大切な場だと思います。

記: 私たち大学生も今ある環境を大切にして、大学生活を有意義に過ごしていきたいですね。池田さんは今ならどんなことを学びたいですか?

池田さん: 今は社会的企業という分野を学んでみたいと思っています。やはりビッグイシューで働き始めたことが大きいです。

疑問に思っていることって、人それぞれ何かしらありますよね。世の中には、ホームレスだけに限らず、いじめやDV、アダルトチルドレンなど、様々な問題があります。そういった社会問題をビジネスで解決していく企業が増えていったら社会全体が希望を持てる世の中になると思うんです。社会を変えたいなんて大それた思いはありませんが、私も少しでもその力になれればと思っています。

また社会問題に組織で取り組むと、多くの人を巻きこめるので、活動に広がりが出るし、影響力もあります。その上、利益を生み出すことでそのお金を上手く世の中に還元していけるので、個人よりもできることは大きいと思います。

最近では、NPOも社会的企業とそれほど垣根がなくなってきて、ちゃんとお金を回してやっていけるところも出てきました。でも、中にはすごく少ないお給料で、休みもなく働いているところもありますが、私は、それは間違っていると思っています。せっかく世の中に対して自分の力を還元しようという意識が高い人たちが働いているのだから、彼らも幸せでないといけないと思うんです。そこは欲張っていいところです。だから、NPOでも企業でも、これからはちゃんとお金が回る仕組みを考えていかねばならないでしょうね。

 
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