|

菊池佐絵(大学生)
キャリナビのメンバーとして活動した今年2〜9月には、多くの職業人の話を聞きました。職場はどういうところで、何が面白くて何が大変で、どんなことを大切に仕事をしているのか・・・。いきいきと働く大人の方に質問をぶつけていくうち、私は将来どういう仕事に就きたいか、具体的に考えることができたのです。それに対し、里親プロジェクトでは、里親として生活していらっしゃる方にお話をしていただきました。今度は様々な"家庭のモデル"を見ることができたというわけです。
里親さんへの取材前、私には少し不安がありました。里親さんのイメージが想像できませんでしたし、事前に「里親の方は里子のプライバシーに敏感だ」と聞いていたので、失礼な質問をしてしまわないかと心配になりました。けれども、実際にお会いした里親さんは、みなさん私たちを温かく迎えて下さりました。ぶしつけに投げかけてしまった質問にも丁寧に答えて下さったのです。また、お話を伺っていて、たとえ血は繋がっていなくても、子を思う気持ちにはとても強いものがあるように感じました。
私が里親さんたちの生活で何より羨ましかったのは、どの里親さんも夫婦間の絆が強そうなことでした。普段しっかりコミュニケーションを取っていらっしゃるのでしょう、相手の方を信頼している様子が伺えました。ぜひ私も真似したいと思います(笑)。里親のみなさん、児童相談所のみなさん、ありがとうございました。

西村玲有(大学生)
今回里親さんにお会いでき、そして里親さんが持つ温かさに触れられたことは、私にとってとても幸せなことでした。里親さんとお会いした日には、いつも心がぽかぽかして、すごく温かい気持ちになったのを覚えています。きっとそれは、辛かったことや嬉しかったこと、話しにくいことまで、子ども達とのこれまでを語っていただいた中で、その愛情がすごく伝わってきて、それを私も感じたからでしょう。記事として言葉になっている以上に、里親さんのお話は本当に子どもへの思いでいっぱいでした。
「愛された経験を持つことで、人を愛せるようになる」いつか大学の授業で学びました。そのときは、なんとなくイメージして分かった気になっていましたが、それは全く想像の範囲を出ていませんでした。虐待を受けて育った子どもが里親さんの家に来て、愛情を受け変わっていったということ。そのお話から、愛されること、信頼関係がそこにあることの大切さを少し感じられた気がします。そしてまた、そのような関係をつくることの大変さや辛さも感じました。人との関係をつくるのは、とても大変なことです。親子というとても距離が近く、お互い取り繕えない関係となるとなおさらでしょう。里親さん達は、子どもを受けとめ、愛情を持ち、とまどい、ぶつかり合い、里親さん自身も変わりながら、長い時間をかけて信頼関係を築き、子どもと「家族」になっていきます。今の私には想像もできないくらいすごいことで、そしてとても温かな、愛に溢れたものです。将来自分が家庭を持つようになったとき、里親さん達のように、その愛情が周りに伝わるような人になっていれたらいいなと思います。里親のみなさん、児童相談所のみなさん、本当にありがとうございました。

高部友里恵(大学生)
先日、私は子どもの育児を支援するある団体のワークショップに行ってきました。ワークショップのテーマは「絆を育む」というもの。ウォーミングアップで、初対面の方とゆっくり握手をして、握った手から、相手がどんな人なのかお互いに記憶しあおう、というものをやりました。ゆっくりと握手をするなんて、普段あまり経験しないことで、最初は面白半分に取り組んでいました。が、自分が相手にこんなメッセージを伝えたいんだ、と意識しながら握手すると、握った手から、何となくですが気持ちが通じあえた気がしました。次第に、手を握ることも、相手にメッセージを伝える手段なんだなぁ、と実感するようになりました。そして、言葉を取得していない赤ちゃんなら、なおさらメッセージを敏感に感じるんだろうな、と思ったのです。そのときに私は、里親さんがお話してくださったお話の数々を思い出していました。
「子どもは小さいうちに誰かに大事にされた経験があると、その先大人になったときに、人を信頼できるようになる」という言葉。血のつながりや名前の違いによりかかるのではなくて、「子どもたちと一緒の時間をどのような気持ちで、どのように共有するか」を大事になさっているというお話。里親さん方はお子さんに対する愛情にとてもあふれていました。見習いたい、と思うことがたくさんありました。取材をさせていただいたあとには、私はずっとその余韻に浸っていて、テープを繰り返し聴いてしまったほどです。里親さん方のように、私も私と一緒に時間を過ごす人と、表面的な付き合いを気にするのではなくて、「どのように」時間を過ごしていくのかを大事にしたいな、と思います。

臼井真希(社会人)
家族だからといって、常に、当然のように、そこに安らぎがあるわけではないと思います。身近な存在だからこそ、傷付け合ったり、分かり合えず、許し合えない時もあります。たとえ血がつながっていようが、同じ家で暮らしていようが、お互いがそっぽを向いたまま向き合おうとしなければ、人と人の心はどんどん離れていってしまうのではないでしょうか。
今回取材させていただいた里親さん達は、どんなことがあっても子どもから目を離さず、常に真正面から子どもと向き合っている、という印象を受けました。相手を思い、向き合っていこうという強い気持ちでつながっている。だからこそ、里親さんと子どもとの間には、血のつながり以上の強い絆があるのだと感じました。
家族に対して感じる'信頼'の気持ちは、「血がつながっている」、「一緒に住んでいる」という事実だけでは生まれない。長い時間をかけて、相手のために泣いて、笑って、喜んで、喧嘩して、許し合って…、お互いに向き合ってきた毎日の積み重ねがあるからこそ生まれるものであるということ。そして、そんな相手が家庭で待っていてくれるからこそ安心感があるのだということ。そんなことを里親さん達に教えていただいたような気がします。
自分を見守り、受け入れてくれる人がいることの心強さ。自分には戻る場所があるという安心感。こういう自分の居場所があるからこそ、子どもも、そして大人も、日々の生活を楽しみ、色んなことを乗り越えるために頑張ることができるのだと思います。子どもとの生活を楽しみながら、子どもと共に'家庭'という場所を築いていく里親さん達の姿を見ながら、とても大切なことに気付かされたように思います。里親の皆さん、児童相談所の方々、どうもありがとうございました。

大山典宏(所沢児童相談所職員)
一通のメールからはじまったこのプロジェクト。
児童相談所や里親さんのお宅に何度も足を運び、インタビューを作成してくださったキャリナビの皆さん。当惑しつつもインタビューを引き受けてくださった
里親の皆さん。多くの方の協力を得て、公開にこぎつけることができました。
児童虐待には、「入り口」と「出口」の問題があります。虐待された子どもたちを発見、保護する「入り口」。家庭に戻れない子どもたちの生活の場をどのように提供し、独り立ちを助けていくかという「出口」。両方大事なはずなのに、入り口の議論ばかりが先行しています。
子どもを保護すればハッピーエンドではありません。傷ついた子どもたちが自分の価値に気づき、誇りをもって生活できるようになるには、長い時間と寄り添ってくれる大人たちが必要です。でも、勇気ある大人たちを支える社会がなければ、里親さんは増えません。そんな社会をつくるには…。
まずは、知ってください。はじめの一歩はそこからです。

井上彩(キャリナビスタッフ)
児童相談所の大山さんから思いのこもったメールをいただいてスタートしてから、早くも6ヶ月が経ってしまいました。今まで行ったことのなかった所沢に何度も通うことになり、里親さんともお話する機会を数度いただきました。里親さんたちの姿勢から"育つ"ということの本質をたくさん感じられたことが今回のプロジェクトの中で一番大きかったことです。
現在子育てをされている方、これから子どもを育てたいと思っている方、親との関係に悩んでいる若い人など、たくさんの方に里親さんのお話をぜひ読んでいただきたいと思っています。今回のプロジェクトが、家族って何だろう?ということを少しでも考えるきっかけになることができたら嬉しいです。

河野良雄(キャリナビ理事)
今回キャリナビとしてこの「里親応援プロジェクト」への参画を決めたのは、2つの大きな理由がありました。
まずひとつは、依頼主である児童福祉司大山さんの熱い思いです。 里親減少の問題に対して、行政の枠にこだわらず広く社会に訴えかけたいという思いは非常に共感のできるものでした。実際に私自身高齢者福祉の現場に携わる身でありながら、児童福祉 の世界をあまりにも知らなさ過ぎることにある意味カルチャーショックを受け、お会いしてすぐ「これはやるでしょ!」と決めました。 もうひとつ、このプロジェクトを通じて、キャリナビの若者たちが行う”生き方レポート”の活動が、何らかの新しいかたちで社会にメッセージを投げかけられるのではないかと思いました。近い世代の社会問題なだけに里親さんたちの”声”は非常に強く心に響いたようです。
「里親という生き方、もうひとつの家族のかたち」
若者たちが感じ描いた里親の世界をぜひご覧いただきたいと思います。
|