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ファクタリング関連の逮捕事例

散らばるお金と手錠

2017年1月25日「ファクタリング会社を大阪府警が初摘発」という見出しのニュースが報道され、ファクタリング業界に激震が走りました。
当時はグレーな取引という認識が強かったため、ファクタリング取引そのものが違法・危険な取引と解釈してしまった方も多いのではないでしょうか。

報道内容は「ファクタリングを装い」という表現がなされており、今でいうところの偽装ファクタリングであることが分かりました。
容疑者らは売掛金を買い取るのではなく、担保にして高利貸しを行っており、事業内容はファクタリングサービスとは程遠いものだったのです。

報道内容の概要
  • ・逮捕されたのは東洋商事役員と元従業員・MINORI 元社長ら8人
  • ・ファクタリングを装い運送会社経営の男性に現金を貸し付けた疑い
  • ・貸金業法の登録を行っておらず、実質的にヤミ金業を営んでいた
  • ・貸付は3億円を超え、1億円以上の利益を得ていた

なお、逮捕された東洋商事代表の三浦容疑者は、13年前(当時23歳)にも闇金融を営んだとして沖縄県警に摘発・逮捕された過去があります。
今回の直接の逮捕容疑はファクタリングではなく、あくまでもファクタリングという言葉を用いて顧客を誘引していたにすぎません。

しかしながら、奇しくもファクタリングという金融取引を世に知らしめた事件であり、逆にファクタリングは危険と印象付けた事件でもありました。
2017年3月26日には大阪府警がファクタリングを装った闇金業者取締強化を宣言するニュース報道もあり、警察も本腰をあげて摘発・捜査に乗り出しています。

元ファクタリング会社役員イメージ

繰り返しお伝えしておりますが、ファクタリングをご利用の際はファクタリング会社の安全性や信頼性をしっかりと確認することが大切です。
当サイトでは寄せられた口コミや公開されている会社情報を基に各ファクタリング会社の安全性評価を行っておりますので、こちらも是非ご参考ください。

犯罪・違法の境界線

ファクタリングは、取引先に対して有する売上債権(売掛金や未収金など)を買い取る商取引であり、民法の「債権譲渡(民法466条~469条)」を根拠に取引が実施されています。(※債権譲渡を反復継続して行う場合であってもそれを規制する法律もありません)
つまり、ファクタリングそのものは適法な金融取引であり、両者の合意が得られれば高額なファクタリング手数料を設定しても違法ではないということになります。

ただし、ファクタリング取引はあくまでも債権の売買であり、貸付を行う場合は銀行法や貸金業法に伴う許認可が必要です。
したがって、契約を進める中で「金銭消費貸借契約書」返済」「金利」「利息」「ジャンプ」などの文言が出てきた場合には注意が必要でしょう。

また、近年では「ファクタリング業」と「ヤミ金業」を別で運営しているケースや、提携を結んでいるケースが見られます。
特別に紹介・個人的な知り合い等と称し、会社との関連は巧妙に隠してはおりますが、全て違法業者・反社組織であることは紛れもない事実です。
原則としてファクタリング会社が金融機関を紹介することはありませんので、紹介先企業はもちろん、同ファクタリング会社との取引中止も検討した方が良いでしょう。

遅延損害金にご注意ください

2社間ファクタリングの場合、取引先から入金されたお金をファクタリング会社に引き渡す義務が生じます。(回収事務を委託されている状態)
そのため、受け取った金銭をファクタリング会社に引き渡さなかった場合、厳密にいうと「遅延損害金」が発生する可能性があります。

手数料や償還請求権とは異なり、遅延損害金は見落としがちで、深く考えずにファクタリング会社側の要求に従っている方も少なくありません。
また、金利に上限が設けられているのと同様に、遅延損害金にも上限が設けられています。
金銭消費貸借契約では29.2%が上限(10万円未満の場合)となりますが、そもそもファクタリングは融資ではありませんので、特別な定めが無ければ6%(商法第514条)が遅延損害金の利率となります。

元アドバイザーイメージ画像

具体的に「返済額×遅延損害金利率÷365(日)×延滞日数」により算出されますので、仮に100万円の支払いを1か月間(30日間)遅延した場合は「1,000,000円×6%÷365日×30日」となり、遅延損害金は「4,932円」です。

明らかに高額な遅延損害金を請求された場合は違法の可能性がありますので、弁護士や警察に相談するようにしてください。
なお、お金を引渡さずに使い込んでしまった場合は損害賠償請求や刑事訴追(詐欺行為)を受ける可能性がありますので絶対にやめましょう。

被害に遭った際の相談先

実際に被害を受けてしまった場合はどこに相談するのが一番良いのでしょうか。
相談先には大きく分けて「公的機関」「民間企業(弁護士など)」の2パターンがありますので、状況に応じて使い分けるようにしてください。

公的機関への相談

警察署の全景

公的な相談窓口としては「警察」「消費者生活センター」の2つが代表的です。
どちらも相談は無料ですが、ファクタリング会社側と交渉してくれる保証はなく、仮に本格的に動いてくれたとしても解決には長い時間が掛かります。
警察では、詐欺被害やストーカー、DVなど生活安全に関連した相談窓口として電話番号「#9110」を用意しておりますので、是非活用してみてください。

ただし、ファクタリング会社(又はヤミ金業者)が事務所・自宅へ押しかけて脅迫されているなど差し迫った脅威がある場合は「110番」を利用しましょう。
なお、同相談窓口では、被害に対して適切な対応を指南してもらえるという建前ではあるものの、具体的に対処してもらうには「被害届の届出」が必要という点に注意せねばなりません。

元ファクタリング会社役員イメージ

被害届の提出には被害を裏付ける証拠や加害者の情報が必要である上、事件性が無い場合には受け付けてもらえません。
警察は「民事不介入の原則」から刑事事件でなければ扱わないため、ファクタリングのような商取引である場合は民事事件と解釈し、積極的な関与を避ける傾向があります。

消費者庁が管轄する独立行政法人「国民生活センター」では、消費者ホットラインである「188」で詐欺被害等の相談を受け付けています。
専門の相談員が適切なアドバイスを行うというコンセプトで運用されており、警察と比較してより身近な存在と言えますが、捜査権限があるわけではなく、金銭的な被害を取り戻せる可能性は非常に低いのが現実です。

民間企業による解決

弁護士バッジと六法全書

警察は限られたリソースで多くの事件を処理しているため、我々の詐欺被害を必ず解決してくれるという保証はありませんし、何より解決までに時間を要します。
そこで「詐欺被害・闇金問題に特化した弁護士」に代理してもらい、解決を図るという手があります。

悪徳業者との和解交渉や刑事手続、違法な督促のストップや過払い費用の返還などを全て代理して進めてくれるため、スピーディーかつ手間も掛かりません。
ただし、弁護士事務所は相談時から費用が発生(1時間あたり5,000円程度)し、依頼内容によっては数十万円の報酬を支払う必要があります。
そのため、被害が比較的少額であれば「司法書士」に依頼するというのも一つの手です。

認定司法書士は少額訴訟の代理権を持っているため、140万円以下の案件であれば和解交渉や訴訟手続きを受任することができます。
弁護士とは異なり、相談料は原則無料・成果報酬を採用していることが多いため、コスト面では高いパフォーマンスを発揮するでしょう。

元アドバイザーイメージ画像

相談先も状況に応じて使い分けるようにしてください。
「危害が加えられる可能性」
「取り立てが激しい」
など、緊急性が高いのであれば迷わず110番をすることをお勧めいたします。
相談先も状況に応じて使い分けるようにしてください。