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ファクタリングで解決しないケース

M&Aについて解説する漫画01
M&Aについて解説する漫画02
M&Aについて解説する漫画03
M&Aについて解説する漫画04

資金調達を実施するシーンには、大きく分けて2パターンがあります。

1つ目は大きな受注・依頼等で原料・人材確保に資金が必要なケースです。
業務完了時にはまとまった報酬が約束されており、借入利息やファクタリング手数料を加味しても利益を残せる「攻めの資金調達」と言えます。

2つ目は、取引先への支払い・人件費・事務所の家賃や光熱費などの固定費・借入金の返済・税金納付といった運営資金を調達するパターンです。
一次的な収支のマイナスが原因であれば問題ありませんが、慢性的な赤字状態であり、経営改善の見込みがない場合は、ファクタリングは逆にキャッシュ不足を招く可能性があります。
そんなときは、ファクタリングだけではなく「事業譲渡」「合併」なども視野に入れてみても良いかもしれません。

事業と従業員は残したい

経営悪化で廃業する企業のイメージ

長年営んできた会社を「赤字を解消できないから廃業する」と、そう簡単に割り切れるものではありません。
情熱を注いできた事業を簡単には手放す訳にはいかない・従業員を見捨てるわけにはいかないなど、様々な思いもあるでしょう。
そんな状況下で、可能な限り事業内容や雇用を維持しつつ、現状を打開する手段の一つが会社売却・事業譲渡です。

いわゆる「M&A」と呼ばれる手法で、新たな取組みやニッチな市場で勢いのある中小企業を資本力のある大手が吸収し、事業を加速させることでシナジー効果を得るという狙いがあります。

赤字会社でも買収企業がメリットを感じれば売却を成立し、仮に名称が変わったとしても、あなたが作り上げた組織を存続させることが可能なのです。
黒字会社に比べれば買い手は限られますし、良い売却条件を得られない可能性も否定できませんが、選択肢の一つとして知っておいて損はありません。

赤字会社買収のメリット

赤字企業の需要

「赤字会社を欲しがる人なんているのか?」

常識的に考えれば、好き好んで沈みゆく船に乗り込む人はいないでしょう。
ただ、経済的な救済措置をしてでも手に入れたい魅力がある。また税務上のメリットを考えて買収に積極的な企業もあるのです。

メリット1~繰越欠損金による節税

「欠損金」は俗にいう「赤字」を意味しており、「繰越」とは前期以前の赤字を繰り越していること指します。
つまりは繰越欠損金=前年度以前から引き継がれた赤字という認識で問題ありません。

すべての赤字を繰り越せるわけではありませんが、赤字が発生した時期により7〜10年繰越し、黒字と相殺することができます。
具体的な赤字発生時期と繰越期限は以下の通りです。

2001〜2007年度に発生した赤字 7年
2008~2017年度に発生した赤字 9年
2018年度以降に発生した赤字 10年

M&Aを行う際に合併という名目にすると、これら繰越欠損金を引き継ぐことができるため、買収側企業は利益と相殺することで節税を図れるというメリットがあります。

ただし、繰越欠損金の引き継ぎには、同一事業の継続や役員・従業員の退職制限等、細かい条件が定められている点に注意が必要です。
事前に担当税理士と入念に打ち合わせをし、節税効果を期待できるか否かを判断するようにしてください。
参考:国税庁|欠損金の繰越控除

メリット2~ノウハウ・人材の継承

赤字が数年続いているからといって、その会社の人材やノウハウの価値が低いと判断するのは早計です。
中には非常に熟練した技術を持ちながらも、大手の資本力やインターネットの普及により思うように集客ができず経済的に厳しい状況にある会社もあります。

マーケティング能力に優れている潤沢な資本力のある会社が、匠の技を持つ会社を買収すれば、シナジー効果を得られるかもしれません。

例えば、中古車販売を生業としているA社があったとしましょう。

A社は資本力を武器に、積極的な仕入れ・インターネットを中心とした戦略的な集客で急成長していましたが、販売した車のメンテナンスをする技術者が不足しており、年式の古い車に対応できないという課題を抱えていました。
自動車屋にとって利益率の高いメンテナンスは、販売と同等に重視したいカテゴリです。

そこでA社が目をつけたのは、長年「街の自動車屋」として活躍してきたB社。
B社は社員10名程度の小さな自動車工場ながら、複数自動車ディーラーから下請けで修理を受けていた経験から旧式から新型まで充分な修理ノウハウを持っている技術屋集団です。
しかしながら、近年はメーカーディーラーの内製化が進み、依頼が急減したことで赤字が続いていました。

A社とB社は共に自社には無いものをそれぞれ有しているため、M&Aは両社にとって大きなメリットをもたらす経営戦術であると言えます。

元アドバイザーイメージ画像

特にA社のメリットは大きく、B社を買収することで人員・技術不足を解決し、税務上も繰越欠損金を使い節税効果を得ることができました。
B社の従業員は待遇を維持したままA社で働くことができ、双方がWIN-WINの関係を築くことができたのです。

メリット3~ブランド力

3つ目は“のれん”の価値です。
現在は赤字であったとしても、古くから事業を続けていたという実績は消費者にとって大きな安心感を与えます。
つまり業界の老舗的存在というだけで、会社名・サービス名には帳簿には表れない「ブランド価値」があるのです。

また、長期事業によって培われた「顧客リスト」「ノウハウ」「関係値」はプライスレスであり、まさに同社だけが持つ宝と言えるのではないでしょうか。
特にネームバリューを意識する中高年層をターゲットにした事業モデルや新規参入するベンチャー企業は歴史ある看板を引き継げることは大きなメリットです。

例えば、2006年に英ボーダフォン社を買収したソフトバンク社は買収によって1,500万件の契約を引き継ぐことに成功し、一夜にして業界3位の移動体通信事業者へと成り上がっています。

譲渡は最終手段

会社経営は自身の努力や才能だけでなく、市場環境変化や法改正といったように、時代の流れや社会情勢等の影響を受けるケースもあります。
どうしても立ち行かなくなったときは誰かの力を借り、なるべくダメージの少ない形でのフェードアウトも大切です。

しかしながら、せっかくここまで育てあげた事業ですので、M&Aはあくまでも最終手段として考えた方が良いでしょう。
一時的な不況やキャッシュショートであれば、融資やファクタリングで乗り切れることもありますので是非検討してみてください。

元ファクタリング会社役員イメージ

最近では経営コンサルタントを兼業するファクタリング会社が増えており、資金調達と経営に関する相談を一度に行うことも可能です。
様々な可能性を視野に入れつつ、経営の改善を図ってまいりましょう。