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売却・譲渡で廃業を回避

経営悪化により廃業を検討する会社イメージ

会社経営において、資金調達が必要になる場面は大きく分けて2パターンあります。
1つは大きな受注等により原料や人材確保が必要になるケースで、納品・竣工の暁にはまとまった報酬が約束されており、借入利息やファクタリング手数料を加味しても利益を残せる“攻めの資金調達”です。
対する2つ目は、取引先への支払い・人件費・固定費・銀行返済…などで月次の収支がマイナスとなり、その支払に追われ致し方なく借入やファクタリングを行うケースとなります。

前者であれば、多少割高な手数料を支払っても調達スピードを優先してファクタリングを利用するのも賢い経営戦略と言えるでしょう。
しかし、仮に後者の状況で中長期的にも経営改善の見込みがない…となると、無闇に借入を増やしたり、ファクタリングを続けていても利息や手数料ばかり膨らんでしまい、遅かれ早かれ立ち行かなくなってしまう可能性が高いと言わざるを得ません。

事業と従業員は残したい

赤字を解消できないから廃業にするか?
そう簡単にはいないのが、経営であり会社組織。
長年にわたり情熱を注いできた事業を簡単には辞めれない!従業員を裏切るわけにはいかない… など経営者側の苦悩も痛いほどわかります。

そんな状況下で、可能な限り事業内容や雇用を維持しつつ、現状を打開する手段の一つが会社売却・事業譲渡です。

赤字会社でも売れるの?

赤字営業を続ける中小企業

いわゆるM&Aは「新たな取組みやニッチな市場で勢いのある中小企業を資本力のある大手が吸収し、事業を加速させることでシナジー効果を得る」という構図が一般的です。
しかし、赤字会社でも買収企業がメリットを感じれば売却を成立させることも可能ですし、名称は変われどあなたが作り上げた組織を存続させることができるのです。
もちろん、黒字会社に比べれば買い手は限られますし、売却条件もそれほど期待できないでしょうが、選択肢の一つとしてM&Aを知っておいて損はありません。

赤字会社買収のメリット

赤字会社を欲しがる人なんているのか?
常識的に考えれば、好き好んで“沈みゆく船”に乗り込む人はいません。
ただ、経済的な救済措置をしてでも手に入れたい魅力がある。また税務上のメリットを考えて買収に積極的な企業もあるのです。

メリット① 繰越欠損金による節税
繰越欠損金による節税効果を検証する男性

「欠損金」は俗にいう「赤字」を意味しており、「繰越」とは前期以前の赤字を繰り越していること指します。
つまりは繰越欠損金=前年度以前から引き継がれた赤字という認識で問題ありません。
すべての赤字を繰り越せるわけではありませんが、赤字が発生した時期により7年〜10年繰越し、黒字と相殺することができます。

赤字発生時期と繰越期限

2001年度〜2007年度に発生した赤字:7年
2008年度〜2017年度に発生した赤字:9年
2018年度以降に発生した赤字:10年

M&Aを行う際に合併という名目にすると、これら繰越欠損金を引き継ぐことができるため、買収側企業は黒字と相殺することで節税が可能というメリットがあります。
ただし、繰越欠損金の引き継ぎには、同一事業の継続や役員・従業員の退職制限等、細かい条件が定められているため、税理士と入念に打ち合わせを行い、節税効果を期待できるか否かを判断する必要があります。

メリット② ノウハウ・人材の継承
中小企業の強み「職人技」

直近で赤字が続いているから、その会社の人材やノウハウの価値が低い言い切るのは拙速でしょう。
中には非常に熟練した技術を持ちながらも、大手の資本力やインターネットの普及により思うように集客ができず経済的に厳しい状況にある会社もあります。

マーケティング能力に優れ、潤沢な資本力のある会社が、匠の技を持つ会社を買収すればシナジー効果を得られることは言うまでもありません。

例えば、中古車販売を行う会社(A社)があったとしましょう。
A社は資本力を武器に積極的な仕入れとインターネットを中心とした戦略的な集客で急成長していました。
しかし、販売した車のメンテナンスをするだけの人員が不足していること。年式の古い車は若いメカニックでは技術不足で対応できない…など課題を抱えていました。
自動車屋にとって利益率の高いメンテナンスは、販売と同等に重視したいカテゴリです。

そこでA社が目をつけたのは、長年“街の自動車屋”として活躍してきたB社。
B社は社員10名程度の小さな自動車工場ですが、複数自動車ディーラーから下請けで修理を受けていた経験から旧式から新型まで充分な修理ノウハウを持っている技術屋集団ですが、近年はメーカーディーラーの内製化が進み、依頼が急減したことで赤字が続いていました。

A社はB社を買収することで人員・技術不足を解決し、税務上も繰越欠損金を使い節税効果を得ることができました。
B社の従業員は待遇を維持したままA社で働くことができ、双方がWIN-WINの関係を築くことができたのです。

メリット③ ブランド力
ブランド名を重視する消費者イメージ

3つ目は“のれん”の価値です。
赤字ではあるものの業界の老舗的存在だったり、会社名・サービス名自体に帳簿には表れないブランド価値がある場合もあります。
また、長期にわたり事業を継続しているのであれば「既存顧客リスト」も大切な資産の一つです。

特にネームバリューを意識する中高年層をターゲットにした事業モデルや新規参入するベンチャー企業は歴史ある看板を引き継げることは大きなメリットになるでしょう。
一方、顧客引き継ぎは2006年に英ボーダフォン社を買収したソフトバンク社が良い例で、買収により1,500万件の契約を引き継ぎ、一夜にして業界3位の移動体通信事業者へと成り上がったのです。

譲渡は最終手段の一つ

ここまで会社売却・事業譲渡の実現可能性について触れてきました。
会社経営は自身の努力や才能だけでなく、市場環境変化や法改正など自らがコントロールしきれない問題も少なくありません。

どうしても立ち行かなくなったときは誰かの力を借り、なるべくダメージの少ないフェードアウトをすることも大切です。

一時的な不況やキャッシュショートであれば、融資やファクタリングで乗り切れることもあるでしょう。
ただ、既に銀行返済をリスケ・遅延しており、エンドレスなファクタリングループにハマってしまっているような状態であれば、譲渡という最終手段を検討してもよいのではないでしょうか。