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ファクタリングと法令

ファクタリングと法令について解説する漫画01
ファクタリングと法令について解説する漫画02
ファクタリングと法令について解説する漫画03
ファクタリングと法令について解説する漫画04

ファクタリングは主に資金繰りとして活用されているため、銀行融資やビジネスローンと同様に「金銭消費貸借契約に該当する」と考えている方が多い印象です。

当ページでは、ファクタリングは金銭消費貸借契約に該当するのか?もし該当するのであれば貸金業法が必要なのでは?などの気になる質問について、ファクタリング会社の元役員が徹底解説します。

ファクタリングは民法が根拠

女性弁護士

ファクタリングは売掛金を譲渡し、その対価として金銭を受け取る金融取引ですので、民法の「債権譲渡(466~469条)」「売買契約(555条)」が根拠となります。

ただし、民法は「一般法」と呼ばれ、特別法と呼ばれる法律があった場合はそれらが優先されるという性質を持っています。(手形取引であれば手形法・ビジネスでお金を貸した場合は出資法が適用されるのはそのためです。)

ファクタリングには現在(2021年12月時点)特別法に当たる法律がありませんので、一般法である民法が適用されるということになります。

さらに、ファクタリングは手形割引とスキームが酷似しておりますが、あくまでも債権の取引であり手形取引には該当しません。
したがって手形割引を反復継続して行う際は「銀行業の認可」「貸金業登録」等が必要ですが、ファクタリング業にはこれらの許認可が不要です。

手数料に上限はある?

利息という概念はありませんが、ファクタリングを利用する際は「債権の○%」などの手数料をファクタリング会社に対して支払わねばなりません。
所謂ファクタリング手数料と呼ばれるものですが、こちらに上限はないのでしょうか。

結論から申し上げますと、刑罰や行政罰などの罰則が伴う法律は今のところ存在しません。

一方で、民法には「信義則」という原則があり、権利の行使や義務の履行については信義に従い誠実に行わなければなりません。(民法第1条第2項)
そのため、いずれか一方があまりにも不利な契約は信義則に反して無効となる可能性があります。

元ファクタリング会社役員イメージ

著しく高いファクタリング手数料を設定した場合、両者の合意があったとしても無効となる恐れがあります。

給料のファクタリングは違法

カットされる給料袋

なお、自身の給与や給料を使用したファクタリングのことを「給与ファクタリング(又は給料ファクタリング)」といいます。
ご存じの通り、給料は労働に対する対価として支払われる金銭のことで、会社に対する請求権を専門業者に売却し、支給日前に現金に換えるという手法です。

手数料の相場は20~30%であり、仮に20万円をファクタリングした場合、なんと4~6万円もの手数料を支払わなければならない計算です。
給料ファクタリングは大きな社会問題ともなり、金融庁は「一般的な法令解釈に係る書面照会手続」に対し、以下の通り回答を発表しています。
参考:令和2年2月28日・照会に対する金融庁回答

簡単に言うと、給料は直接払いが原則であり、仮に当該請求権が譲渡されたとしても労働者に直接支払わなければならない金銭であるため、譲渡契約は成立しないという解釈です。
その後、判例において「給料ファクタリングは実質的な貸金業」との見解がなされましたので、給料ファクタリングを業として営む場合は貸金業登録が必要ということになります。

悪徳業者には要注意

上記の通り、現在ファクタリングを規制する法律はありません。
言い換えれば「誰でも簡単に参入できてしまう業界」であるとも考えられ、例えば手数料が非常に高額に設定されていたり、スタッフの質に差があったり、マンションの一室で運営されていたりと、ファクタリング会社によって大きな違いが見られます。

そのため、特に初めてファクタリングを利用する場合はしっかりとサービスを比較・検討せねばなりません。

非対面で取引が可能なサービスもありますが、初回は直接ファクタリング会社に足を運んだうえで不明点・流れを確認することをお勧めいたします。
また、繰り返しお伝えしてきた通りあり見積りも必ず実施するようにしてください。

元アドバイザーイメージ画像

最低でも3社、可能であれば5社ほどから見積りを取り、希望する条件にマッチするファクタリングサービスを選ぶようにしましょう。