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ファクタリング業への参入経緯

ガッツポーズをする経営者

別記事「ファクタリングの歴史」でもお話したように、ファクタリングサービス自体は100年近く前から存在しています。
現在は「スピード」「柔軟審査」「即日入金」をセールスポイントにしたファクタリングサービスが主流であり、手形の衰退や新しい資金調達を模索する動きが強まったことから、2010年代に再流行したという経緯があります。

比較的歴史の浅い資金調達方法があるにも関わらず、数百社ものファクタリング会社が存在しているのは一体何故なのでしょうか。
実は、現在存在するファクタリング会社のほとんどは「他業種から参入した業者」です。
まずは、新規参入企業の代表的なパターンを確認してまいりましょう。

貸金業・手形割引業

最も主流かつ自然な流れと言えるのが、貸金業や手形割引業からの転身または拡大です。
仕組みこそ異なりますが、事業資金調達を目的としたサービスという点では共通しており、既存顧客へアプローチしてファクタリング契約を取ることもできます。

貸金業法改正や手形取引の急減など金融業界も厳しい状況が続いていたため、ファクタリング需要の増加は追い風と見て積極的に参入しているものと思われます。
これらの会社であれば、既に審査・回収ノウハウやオペレート人員は揃っているため、参入のハードルも高くないというわけです。

ベンチャー系企業

金融業とは無関係なベンチャー企業が参入するケースも少なくありません。
ここ2-3年、インターネットサービス、不動産、リースサービスを扱っている会社が突然ファクタリングを始めるパターンが目立ちます。

中でも代表的なのはインターネットインフラ事業を提供するGMOインターネットグループで「GMOペイメントゲートウェイ株式会社」「フリーナンス(GMOクリエイターズネットワーク株式会社)」など、複数のファクタリングサービスをスタートしています。
圧倒的な資本力と信頼性を武器に低手数料なプランを打ち出しており、調達コストがネックであったファクタリングに新風を吹き込んでいます。

金融機関

金融機関の多くは参入に二の足を踏んでおりましたが、昨今では独自のファクタリング商品を打ち出すなど、サービス参入に積極的な印象です。
融資審査に漏れた利用者の一部がファクタリングに流れているというのが実情ですので、これらの顧客も自社で囲い込みたいといのが参入の本音ではないでしょうか。

金融機関の思惑が見え隠れするところではありますが、銀行系の参入は利用者にとっては中長期的にプラスに働くと考えています。
なぜならば、ファクタリングサービスを提供する企業が増えれば増えるほど、ファクタリングが許可制又は免許制となる可能性が高くなるためです。

許可制となれば参入のハードルが高くなり、悪質業者は撤退・淘汰へと繋がります。
また、手数料に上限が設けられる可能性もあるため、利用者にとってはプラスに働くと言えます。

元アドバイザーイメージ画像

許可制や免許制になれば、利用者側としてはより安心・安全にファクタリングを利用できるようになります。

医療関係会社

診療報酬ファクタリング、介護報酬ファクタリング、調剤報酬ファクタリングはその性質上、製薬会社や医療機器関係の会社が扱っていることが多いサービスです。
売買対象となるレセプト報酬は、国の運営する審査支払機関に対する債権であり、未払いリスクは限りなくゼロに近い債権と言えます。

リスクが低いため手数料率も低い(1%〜5%程度)のですが、医療債権は巨額になることが多く、中には1億円を超える取引もあります。(仮に1億円の債権を手数料2%で買い取ったとすれば200万円の差益です。)

また、「資本力のある医療関係会社のサイドビジネス」というイメージが強い医療報酬系ファクタリングでしたが、最近はこれに目をつけた新規会社の参入も見られます。
診療報酬専門をアピールするファクタリング会社も多くなり、ファクタリング業界の中でもひとつの市場として完成されつつあります。

悩んだときは前身事業にも注目

サービスを比較検討する経営者イメージ

一見サービス品質とは無関係とも思えますが、実はファクタリング会社を選ぶうえで運営会社の経歴(前身)はとても重要です。
一般的な消費行為では、ブランド力・社歴・顧客レビューなどからある程度の品質確認ができますが、ファクタリングはその歴史が浅いと共にニッチな市場であることから十分な判断材料が揃わないこともあります。

「A社・B社で利用を悩んでいる…」という方がいらっしゃれば、ファクタリング業の前はどんな事業をされていたのか・ほかにどんな事業を営んでいるのかを質問してみてはどうでしょうか。
「金融機関からの派生」「手形割引からの転身」であれば一定の金融知識もあると判断できますし、ベンチャー企業でも「取引先からの前払い要望が多く、ファクタリング部門を独立させた」などの理由なら、利用者側の事情を十分理解していると推定できます。

闇金出身の会社には要注意

平成15年に成立したヤミ金融対策法により、多くの闇金業者が行き場を失いました。
しばらくは摘発を逃れ、目立たないように運営を続けていた業者も流石に限界を感じ新たなビジネスに乗り出していますが、その一つが「ファクタリング」だったのです。

真っ当に運営していればまだ良いものの、「ファクタリングは融資ではない」という定義を免罪符に法外な手数料を要求、支払ができないと損害賠償・遅延損害金など形を変えて金銭を請求するというような悪質な手口が横行しました。
このような業者を見極める方法の一つが経歴の確認です。

中には秀逸な開業ストーリーを用意している会社もあるでしょうが、辻褄があっているか・怪しいポイントはないかという目で見てみることをお奨めします。

元ファクタリング会社役員イメージ

仮に現在はまともに運営していたとしても「元闇金融の会社」との付き合いは避けた方が賢明です。

撤退する業者も多い

毎年多くの会社が参入している一方で、撤退する会社も後を経ちません。
当サイトでもレポートした業者は定期的に確認をしていますが、毎回3-4社はホームページが消えています。

ファクタリングは非常に利益率に優れたビジネスモデルであると同時に、1つの取引で焦げ付きが発生すると一気に赤字化するリスクも孕んでいます。
また、取引件数を増やそうとすれば比例して債権買取のための資金が必要になるため、資本力と審査・回収能力を兼ね備えていなければ健全な運営を続けることも難しいのでしょう。

この点でも、運営会社の背景や資本力を知っておくと経営状況の危ないファクタリング会社を避けることができるのではないでしょうか。