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ファクタリングで納税は適策?

ファクタリングしてまで納税を優先するべきか?
私が現役でお客様とやり取りをしていた頃、年度末の時期になるとよく相談いただいた話です。

納税に関しては様々な考えがあると存じますが、
このページでは「納税延滞によるリスク」と「ファクタリングによる資金調達コスト」を比較した場合、どちらがより少ない支出で済むかの観点で説明します。

ちなみに…
先に結論を申しますと「ファクタリングしてまで納税するなら、潔く滞納して延滞税を支払うべき!」というのが答えです。

ここから先は何故滞納を選択するべきなのか?また延滞税はいくらになるのか?という視点で解説いたします。

急激な売上ダウンにより納税が難しくなり悩む社長

税金滞納におけるペナルティ

まず、税金を滞納するとどのようなペナルティ(附帯税)が待っているでしょうか?
一般的な法人が支払う税金種別で整理します。

支払期日 附帯税 延滞金割合
法人税 決算後2ヶ月 延滞税 〜2ヶ月:2.6%
2ヶ月以降:8.9%
消費税 決算後2ヶ月 延滞税 〜2ヶ月:2.6%
2ヶ月以降:8.9%
源泉所得税 毎月10日
または
6ヶ月毎
延滞税
+
不納付加算税
延滞税)
〜2ヶ月:2.6%
2ヶ月以降:8.9%

不納付加算税)
自主申告:5%
税務署指摘:10%
※原則、1日でも遅れれば発生
固定資産税 年4回
(4月/7月/12月/2月)
延滞税 〜2ヶ月:2.6%
2ヶ月以降:8.9%
自動車税 5月末 延滞税 〜1ヶ月:2.6%
1ヶ月以降:8.9%
社会保険料 毎月末 延滞金 〜3ヶ月:2.6%
3ヶ月以降:8.9%

法人税/消費税/固定資産税/自動車税/社会保険料

期日から2ヶ月以内の延滞(自動車税は1ヶ月、社会保険料は3ヶ月)には、年2.6%。
それ以降は年8.9%の割合で延滞税が発生します。

例えば、300万円の納税を3ヶ月間延滞すると次の計算により34,700円の延滞税が加算されます。

①〜60日の間)
(3,000,000円×2.6%×60日)÷365日=12,821円

②61〜90日の間)
(3,000,000円×8.9%×30日)÷365日=21,945円

①+②=34,700円(100円未満切り捨て)

ちなみに、延滞税の割合は年毎に変化しますが、ここでは2019年の実績を用いています。
大きく変わるものではないので詳しい説明は割愛しますが、気になる方は国税庁HPをご参照ください。

源泉所得税

ここで言う源泉所得税とは、従業員より特別徴収したものを指します。
本来、各個人が直接国へ納付する所得税を給料天引きすることで会社が代行して納めるという仕組みです。

しかし、何らかの理由で特別徴収した所得税の納付が遅れると、延滞税だけでなく「不納付加算税」が付加されるのです。
不納付加算税は、自己申告の場合5%。税務署からの指摘で不納付が発覚した場合で10%の割合です。仮に300万円の源泉所得税を3ヶ月滞納し、自己申告した場合の附帯税は184,700円になります。

【延滞税】
34,700円
※計算式は前述した法人税等の延滞と同様

【不納付加算税】
3,000,000円×5%=150,000円

【合計】
34,700円+150,000円=184,700円

過少/無申告加算税・重加算税は別物!

巨額の追徴課税があり、倒産寸前だ…
1度は税金にまつわる“怖い話”を聞いたことがあるのではないでしょうか?

私もこの手の話は良く耳にするのですが、深堀りしていくとここまで解説してきた「延滞」とは毛色の違う事情が多いのです。
通常の延滞であれば年間数%の割合ですし、仮に源泉所得税を滞納してしまったとしても10%の加算税なので、倒産の致命的要因になるとは考え難いではないでしょうか。

実は同じ附帯税でも悪質なケースではより高い割合の加算税が課されます。具体的には次の3パターンです。

① 過少申告加算税

税務調査により過少申告を指摘され申告税額の更正を受ける場合に加算されます。
税額は、新たに納めることとなった税額の10%ですが、当初申告税額または50万円を超える部分については15%となる。

② 無申告加算税

税務調査により、確定申告が行われていないことを指摘されると無申告加算税が課されます。
50万円までは納付するべき税額の15%、50万円を超える部分は20%の加算税が発生します。

③ 重加算税

事実の隠蔽、仮装により納税額を過少に申告した場合に課せられます。
新たに納めることとなった税額の35〜40%と非常に重いペナルティです。




「正直に税務申告していたが、経営状況が悪化して延滞してしまった」のと「税を逃れるために虚偽の申告をした」のでは、全く意味が異なります。
急な経営状況悪化により、納税が困難な場合…というケースでは先に解説したように年利10%以下の延滞税ですから、そこまで怯える必要はないでしょう。

ファクタリング手数料との比較

納税目的のファクタリングに警鐘を鳴らす

延滞税・不納付加算税の仕組みをご理解いただいたところで、キャッシュが手元になく税金支払ができない場合に“ファクタリングを利用してでも納税するべきか?“という議題に戻りましょう。

源泉所得税の場合

先程の計算では300万円を3ヶ月延滞することで184,700円の“余計なコスト”が発生することになりますが、本税300万円に対する割合は6%程度です。
つまりファクタリング利用により納税を行う場合、手数料6%以下の条件でなければ有利になることはありません

その他税金の場合

法人税・消費税・固定資産税・自動車税・社会保険料などの場合は、延滞したとしても不納付加算税は発生しません。
300万円を3ヶ月滞納でも34,700円のペナルティとなり、割合で見れば1%程度です。現実的に300万円規模で1%以下のファクタリングはありえませんので、ここはおとなしく延滞税を支払うのがベターでしょう。

差し押さえのリスクは?

でも、税金滞納したら財産差押えの危険があるのでは?
中にはそう考える方もいらっしゃるでしょうが、その心配はありません。

滞納発生から差押え実行までは、次のフローが必要なためすぐに財産を取られるというものではありません。
また、差押え実行までには何度も税務署から連絡があるため、それらを無視せず“納税の意思がある”旨を伝えていれば2-3ヶ月で差し押さえを強行してくることは無いでしょう。

差押えのフロー

①督促状の発送
国税:滞納から50日以内
地方税:滞納から20日以内

②催告
※通常はこの間に電話や訪問などによるやり取りが発生する

③最終催告

④差押え実行

「納税猶予」という制度

納税猶予制度を持つ納税システム

一般的にあまり知られていないようですが、納税の猶予という制度があり、最大1年間の期間で分割支払いすることが可能です。
主に次の6つの事実がある場合に認められる制度で、猶予期間中の延滞税の全部又は一部が免除されます。

納税の猶予を受けられる事由

①財産について、災害を受けたり盗難にあった
②納税者や家族が病気にかかったり負傷した
③事業を廃業したり休業した
④事業について著しい損失を受けた
⑤上記の①から④に類する事実があった
⑥本来の期限から1年以上経過した後に、修正申告などにより納付すべき税額が確定した

「事業で大きな損失を被った」「それに類する状況」とあるように、経営的な理由であれば柔軟に猶予期間を設けてくれる印象です。
納税のためにファクタリングを検討しようとしているなら、まず税務署へ猶予や分割払いの相談を行うことを強くお勧めします。

ファクタリング利用は冷静な判断を!

借りたお金と税金は何があっても期日通りに支払わなくてはいけない
ものごごろついたころからこのように教育されてきた方も少なくないでしょう。
もちろん、払わないという選択はありませんが「延滞税を覚悟する」「期限を伸ばす」「分割する」という選択肢があることも頭に入れておいてください。

中には「一刻も早く納税しないと、とんでもない額の延滞税がのしかかってくる!」などと脅してくる悪質なファクタリング会社があるかもしれません。
しかし、延滞税よりもファクタリング手数料が安くなることはまずありません
勇み足でファクタリングに手を出すのではなく、税務署(または税理士)と相談することで、最も低コストで済む方法を見つけてください。