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残業代請求により資金枯渇

未払いの残業代を裁判所で請求
調達金額 270万円
取引手法 2社間
売掛金 300万円
年商 1億8,000万円
従業員数 23人

従業員23名の中距離運送会社を経営していましたが、5名の従業員から弁護士を通じて残業代請求の申立がありました。
給料待遇は平均的だと自負していましたが、細かい残業や時間外労働は"基本給に含む"という曖昧なルールで長年やってきていた面もあります。

ある日、弁護士事務所から電話があり従業員5名が過去2年の残業代未払いを請求しているとのこと…
はじめは総額600万円の支払い要求でしたが、和解ポイントとして250万円の支払い(1人あたり50万円)で落ち着きました。

当初は従業員に裏切られた!という一心で苛立ちしかありませんでしたが、確かに払うべき人件費は払わなければならないと反省した部分もありました。
他の従業員へも一定の補填を約束し、今後は時間外労働の基準を設けて対応することになりました。
一時は紛争状態になるかと覚悟していましたが、退職者を出さずに従業員側と和解できたのは不幸中の幸いかもしれません。

ひとまずは一件落着ですが、和解金250万円の支払いとその他従業員への補填をあわせると500万円近い出費が必要でした…
当然、かき集めてもそんな大金がある訳もなく、ファクタリングによる入金前倒しでなんとか工面することにしました。
(銀行へも相談しましたが、残業代未払いのような理由では貸せないと突っぱねられました…)

取引先にも事情を説明し、3社間ファクタリングを利用しました。
計300万円の売掛金を5%で現金化することに成功し、従業員への支払いを済ませました。

取引先も理解を示してくれたため、3社間取引とし比較的割安なコストで資金調達できたのは本当に助かりました。
仮に2社間ファクタリングだと最低15%程度の見積りだったため、今後も自らの首を締め続けることになったでしょう…

これからは時間外労働分もきっちり支払うため、相対的に人件費は上がります。
元々厳しい運送業がさらに薄利になっていきますが、赤字にならない限りはなんとか頑張って行こうと思っています。

残業代請求の怖さ

今回は運送業の例でしたが、残業代請求は各業界で多発しています。
弁護士団体が残業代を飯のタネにしている以上、一定の確率で攻撃される可能性があり、一つのリスクとして頭に入れておく必要があるでしょう。

弁護士費用は「請求した残業代金の◯%」という契約で初期費用は不要ですし、何より請求を行ってくる従業員は多くの場合"捨て身"であるため徹底的に戦ってきます。

元々、後ろ指刺されないよう健全な運営をしろ!と言われればそれまでですが、ある程度のリスクヘッジが必要なことは事実です。
ファクタリングは万が一の際にまとまった現金を調達できる点で、このような緊急案件には適した手法と言えるでしょう。