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ファクタリング契約の流れ

契約書と印鑑

ファクタリング契約は次のステップで進められます。
銀行融資に比べてスピーディーで、早ければ即日で完了することも珍しくはありません。
今回はより需要の高い「2社間ファクタリング」を例に解説していきます。

STEP1~申し込み

ファクタリング会社やサービスが決まりましたら、まずは申し込みをしてください。
電話やWebフォームからの申込みが一般的ですが、最近ではLINEから申し込めるファクタリングサービスも登場しています。(※WebフォームやLINEの方が「申込日時」「希望条件」「希望金額」などの記録を残しておくことができますので、相見積をする際にもスムーズです。)

ファクタリング会社からは30分〜1時間程度で折り返し連絡がありますが、お急ぎの場合はさらに電話をしておくと良いでしょう。

STEP2~仮審査

申し込みが完了しますと、次は「仮審査」へと続きます。
仮審査では、必要最低限の書類やヒアリングのみで買取の可否や大まかな買取金額を提示するというもので、通常は折り返し連絡の際に併せて実施されます。(申込時に仮審査に必要な書類を提出している場合)

仮審査でヒアリングされるのは「会社情報(会社規模・資本金・業種)」「希望金額」「売掛金額や取引先情報」「希望入金時期」などで、この時点で「請求書」「取引が分かる書類」があればOKというファクタリング会社が大半です。

STEP3~本審査

仮審査条件やファクタリング契約の内容に合意が得られましたら本審査へと進みます。
本審査では、申込内容や利用企業毎に「必要書類(詳しい記述はこちら)」が案内されますので、予め準備しておくとよりスムーズです。
ファクタリング会社によっても異なりますが、2社間方式の取引の場合は即日〜3営業日で審査が完了します。

STEP4~契約

審査が完了しますと、次は契約書への記名押印です。
ファクタリング会社の多くは対面取引を実施しておりますが、最近ではオンライン型のファクタリングサービスも増えており、ウェブ署名での対応または契約書は後日郵送(先に入金だけ済ませる)というケースも多くなっています。

ファクタリング会社によっては実印+印鑑証明書の添付を求める場合もありますので、事前に確認しておくとスムーズに押印を済ませることが可能です。
なお、2社間ファクタリングの場合は入金された売掛金をファクタリング会社に引き渡す義務が生じますので、債権譲渡契約に加えて集金代行業務委託契約を交わすことがあります。

STEP5~買取代金の入金

契約が締結されましたら、いよいよ買取代金の送金です。
売掛金より手数料分を差し引いた現金が指定口座に入り、ファクタリングを利用した企業は当該金銭を使用することができるようになります。

なお、2社間方式では取引先に通知(又は承諾)を経ないで債権譲渡が実施されるため、売掛金は通常通りファクタリング利用企業(旧債権者)へと支払われます。
したがって、先ほど触れた通り売掛金をそのままファクタリング会社へと引き渡す義務が生じますのでご注意ください。

元ファクタリング会社役員イメージ

売掛金を引渡さなかった場合、刑事訴追や損害賠償請求がなされる可能性がありますので、入金があった際は速やかに引渡すようにしてください。
なお、3社間方式では取引先からファクタリング会社へと直接送金されますので、引渡しは必要ありません。

ファクタリング契約での必要書類

ファクタリング会社に相談をする経営者

ファクタリングを利用するには「エビデンス資料」をファクタリング会社へと引き渡さねばなりませんので、こちらも併せてご確認ください。
ファクタリング会社や事業内容によっても異なりますが、一般的には「売掛金の金額や期日が分かる書類」「会社の事業に関する書類」「取引先との取引履歴が分かる書類」を用意する必要があります。

また、場合によっては印鑑証明書や取引先の承諾書(3社間ファクタリングの場合)が必要となることもありますので、事前に確認しておくと良いでしょう。
エビデンス資料・必要書類の例は以下の通りです。

売掛金額・支払期日の確認書類 請求書・注文書など
会社の事業に関する書類 パンフレット・財務諸表類など
取引履歴の証明書類 通帳・契約書など
その他必要となるもの 印鑑証明書・承諾書・納税証明書など

なお、会計書類(財務諸表類)については2~3期分が必要となる場合がありますので、複数年分を手元に用意しておくようにしましょう。
さらに、通帳はコピーではなく原本提示を求められるケースがありますので、必ず原本をご用意くださいますようお願いします。

「その他必要になるもの」はあくまでも例であり、不要な場合もありますので、詳細は利用するファクタリング会社とすり合わせるようにしてください。

審査で重要視されるポイント

調査を行うファクタリング会社スタッフ

買い取った債権が入金されなかった場合、支払った代金全てを丸々損してしまうため、ファクタリング会社では「買い取った売掛金がきちんと履行されるのか」という点を重点的に審査します。
例えば、売掛金の発生した原因は「定期的なもの」「突発的なもの」の2つに分類できますが、ファクタリングで優遇されるのは圧倒的に前者です。

毎月安定的に入っている売上であれば、ファクタリング会社も低リスクで買い取ることが可能ですし、利用企業へのダメージも少なくて済みます。
また、利用企業又は取引先(もしくはその両方)の経営状況が悪い場合、ファクタリング会社は買取を断る可能性があります。

経営状況が芳しくないと「使い込み」「二重譲渡」「差し押さえ」といったリスクが大きくなってしまうためです。
特に税金滞納は差し押さえのリスクが非常に高いため、利用企業に売掛金が入金されたタイミングで差し押さえが実行されてしまうと、ファクタリング会社への引渡しができなくなってしまいます。
そのため、ファクタリング会社の中には「赤字はOKだが税金滞納はNG」としているケースもあります。

元アドバイザーイメージ画像

ファクタリング会社側のリスクを考えると、どのような点を嫌がるのか又はどのような項目が手数料に影響を与えるのかを知ることができます。
また、反社会的勢力であると判断された場合も取引を断られてしまう可能性があります。

どのように審査されるのか

新宿のオフィス街

ファクタリング審査では「売掛先企業の信頼性」がより重視されます。 ファクタリング会社の実務レベルにおける審査材料を紹介しますので、現在お持ちの売掛債権(取引先)と照らし合わせながら一読いただけたらと思います。

まずは「登記情報提供サービス」で、ファクタリング利用者・取引先の代表者名・所在地などが申込み内容と相違ないか、会社が間違いなく実在しているか等をチェックします。 さらに、売掛債権が既に他ファクタリング会社へ譲渡されていないか(債権譲渡登記がなされていないか)も併せて確認します。 もしも既に登記がなされている場合は二重譲渡の危険性が高まりますので、買取を中止せざるを得ません。

次に「帝国データバンク」を利用した調査が実施されます。
株式会社帝国データバンクは、全国80箇所以上の拠点を持ち、調査員1,700名を超える規模を誇る企業専門の信用調査会社です。
決算書や事業内容、銀行残高、借り入れ状況等の経営状況を主に調査を行い、それらをスコアリングし評価(100点満点)をつけています。

信用度評価の内訳は「業歴(1〜5点)」「資本構成(0〜12点)」「規模(2〜19点)」「損益(0〜10点)」「資本現況(0〜20点)」「経営者(1〜15点)」「企業活力(4〜19点)」です。
信用度は点数によってランク付けされ、86〜100点でAランク・66〜85点でBランク・51〜65点がCランク・36〜50点がDランク・35点以下だとEランクとなります。
実務では、細かい点数までは確認しないものの、ランクについては手数料の算定や買取可否の参考として大きな役割を果たします。

例えば、中小企業であればCランク以上(51点以上)、40点を下回った場合は売掛回収リスクが高くなるため、ファクタリング手数料も高くなる等です。
もちろん、そもそも帝国データバンクにデータが無い企業も存在しておりますので、あくまでも参考としてお考えください。

元ファクタリング会社役員イメージ

複数の債権をお持ちであれば「信用力が高い企業に対して有する債権」を活用した方が有利に取引を進めることが可能です。

人柄も重要な審査要素

ファクタリング審査では「経営者の人柄」も非常に重要です。
経営不足に陥った原因が一時的なものであればファクタリングで再建を果たせますので、経営者がしっかりしていると判断されれば多少のマイナス要素であれば目を瞑ってもらえる可能性があります。

また、前述した通りファクタリング会社側は「使い込み」という大きなリスクを抱えねばなりませんので、担当者が「この人ならきっと大丈夫だろう」と判断されることが重要です。
決して横柄にならず、対等なビジネスパートナーとして接することはもちろん、ヒアリングで嘘をつく・書類を偽造するなどは絶対にやめましょう。
信頼関係を築くためにも、素直かつ誠実に対応することをお勧めいたします。